京 東 都 | culture

京都の八坂にある本店店前

ものづくりの場が消えてゆく

「元々、両親がアパレルに刺繍を施す仕事を長年続けていました。本体のアパレル制作の場が次第に海外に移行されるにつれて、刺繍の仕事も減少し、先行きに希望がもてない状況が続く中、海外にいた私は呼び戻されたんです。」
 東京で海外からの衣料品ブランドの国内卸売の輸出入部門を任されることに。帰国後も、京都にあったものづくりの現場が次々消えて、確かな技術が受け継がれない現状に危機感を持っていた岩井さん。家業においてもアパレルの後加工としての刺繍ではなく、刺繍だけでなにか商品が作れないものか?そこで思いついたのが、ワッペンでした。熟練した職人技と新しい感覚が作り出す小さな刺繍作品。和に遊んだギフト用品やお土産に特化した、「和片」の誕生です。

◎ デザイン会社が描いた下絵を元に、刺繍に適したアレンジを加えデータ化。刺繍制作の経験がものをいう細かい作業です。

京都から日本の工芸を世界へ

刺繍ブランドとして立ち上げた『京東都』は、「和片」を中心に、和をテーマにした古くて新しいユーモアが効いたデザインで、たちまち注目を集めることに。京都ブランドの潜在的な価値の高さは期待通りでした。ブランドを支える、味わいあるデザインは岩井さんの思いに賛同した東京のデザイン会社が、事務所まるごと京都に引っ越して共同開発している賜物。高い志と人柄、丁寧な仕事ぶりに惹かれ、自然と人が集まってくるのです。
刺繍を通して日本の文化や伝統を世界に翻訳する新しい方法を模索する『京東都』。刺繍以外の日本に残る優れた工芸技術を発掘し、たとえば、絞り染めや陶磁器など、新たな可能性を広げた作品を送り出しています。興味深い試みに、今後も目が離せません。

◎ 「洛中洛外図」、「坪庭」、「きのこ」、「御伽草子・古事記」、「鳥獣戯画」のシリーズより。
◎ 刺繍のがま口やポーチ、キーホルダー、バッグ、タオルなど店内にはカラフルなアイテムがズラリ!
◎「 和菓子」シリーズより
紫陽花/水面/錦秋/着せ綿/柏餅/水無月/栗鹿子/朝顔/山路/紅葉/亥子餅/若鮎/栗絞り/光琳菊/粽/
桜餅/引千切/えくぼ饅頭/月見団子/牡丹/椿餅/松雪/木枯らし/うぐいす餅/寒紅梅/織部饅頭/はなびら餅/花見団子/うさぎ饅頭 /玉椿

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京東都(きょうとうと)本店
京都市東山区星野町 93-28(東大路八坂通り東入ル)
☎075-531-3155

■ 営業時間:午前11時~午後6時
■ 定休日 :不定休

京東都(きょうとうと)銀座店
東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座6階
☎03-6274-6840

■ 営業時間:午前11時~午後9時
■ 定休日 :不定休

http://www.kyototo.jp/

株式会社 ドゥオモ 
代表取締役 岩井 左木子 Iwai Sakiko

京都府出身。高校卒業後、アパレルの勉強のためイタリア・ミラノへ留学。その後ニューヨークでも学び、帰国。2002年東京・渋谷に家業の別業態としてインポートの事務所を開設。2007年に刺繍の可能性を考えるブランド「京東都」をスタート。2013年京都・東山に「京東都本店」をオープン。2016年東京・銀座に2号店「京東都銀座」をオープン。世界中のクリエーターとのプロジェクト作品の発表など、話題に事欠かない日々を送る。

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